
今回の仕事術の資料には、目的を理解すること、時間の使い方を工夫すること、そして人に任せることが並んでいました。私はその中でも、仕事を任せる側の責任に目を向けたいと思います。
社員に成果を求めるなら、力を発揮できる条件を会社が整える必要があります。「自分で考えて」と伝えるだけでは、判断の材料が足りない場合があるからです。
作業名だけで依頼を終えない
「資料を作ってほしい」だけでは、何を優先すべきか分かりません。誰の、どんな判断に使う資料か。いつ必要か。どこまで確認できれば完成なのか。
例えば、会議用の資料なら、判断したい論点と必要な根拠を先にそろえる。目的が共有されていれば、本人も必要な作業を選びやすくなります。依頼した側が、途中で条件を変えたときにも説明したいと思います。
権限と相談の境界を明確にする
任せるときには、自分で決めてよいことと、事前の確認が必要なことを分けます。期限や費用、外部への約束に影響する場合には、どの段階で相談するかも決めておきます。
判断に迷ったときの相談は、任せたことの失敗ではありません。必要な情報をそろえて相談できることも、仕事の力です。経営者や上司が質問を受け止める姿勢を示すことが、その土台になります。
残業時間だけで、努力を測らない
時間内に仕事を終えるには、本人の工夫に加えて、業務量や優先順位の調整が必要です。急な依頼が重なれば、予定どおりに終わらないこともあります。
そんなときに個人の時間管理だけを責めず、何を優先し、何を後ろへ動かすかを一緒に決める。定時で帰れるようにすることを、チームの仕事の設計として考えたいと思います。
途中の確認を、口出しの場にしない
確認のたびに細かな好みで直していては、任された人は判断しにくくなります。目的に届いているか、重要な条件が守られているか、必要な支援はないか。この順に確かめたいと思います。
途中の成果物を出してよい範囲も、先に合意しておく。一方で、正確さや安全性が必要な場面では、公開や実行の前に必要な確認を終える。仕事の性質に合わせて、任せ方を変える必要があります。
任せることは、指示を減らすだけの行為ではありません。目的と権限を渡し、相談できる道を残し、結果を一緒に確かめることです。XEROTTAでも、社員が自分の判断を育てられるよう、私自身の依頼の仕方から見直していきたいと思います。



