2026年10月6日訂正:紹介した研究の結果を「特に午前中の代謝が向上した」と説明していましたが、研究では朝と午後の運動時に脂肪酸化の増加が見られ、増加率は午後の方が大きい結果でした。研究対象・摂取量・運動条件を追記し、朝にコーヒーを飲むだけで健康や代謝が改善するように読める説明と、一律に試す事を勧める記述を改めました。

当時参照した紹介記事:Business Insider Japan「朝のコーヒーに脂肪燃焼効果あり…最新の研究で明らかに」
https://www.businessinsider.jp/post-232381
以下では、紹介記事の見出しだけで判断せず、元の研究で何を調べたのかを確認して説明し直します。
従業員の健康を考えるようになったのは、過去に体調不良で休職になった方や健康診断で異常が発生したデータを見た事。そして、知人が癌によって亡くなった事で色々と考えるようになりました。
デスクワークが中心の働き方についても、運動不足や食事の偏りなど、日々の生活習慣に目を向けたいと思います。
この為、色々な健康知識から、シェアをしていきたいと思います。
今回は、当時紹介したコーヒーとカフェインの研究についてです。私はコーヒーの苦味が嫌いで、さらにタバコを吸いながらコーヒーを飲む人の口臭が最悪な匂いがする事から、コーヒーが大嫌いでした。
2021年に公表された元の研究は、普段のカフェイン摂取が少なく、持久運動の経験がある男性15人を対象にしたものです。平均年齢は32歳でした。
参加者は、体重1kg当たり3mgのカフェイン、またはプラセボを摂取し、30分後から負荷を段階的に上げる自転車運動を行いました。朝と午後の両方で調べ、全員が4つの条件を経験する試験でした。調べたのは主に、運動中に脂肪をエネルギーとして使う速さの最大値である「最大脂肪酸化率」です。
プラセボと比べると、カフェインを摂取した時の最大脂肪酸化率は、朝に平均10.7%、午後に平均29.0%高くなりました。この研究の結果を「特に午前中の代謝が向上した」と紹介した点は訂正します。朝にも増加が見られましたが、増加率は午後の方が大きい結果でした。
また、研究で用いたのは体重に応じて量を調整したカフェインで、一定の杯数のコーヒーではありません。「約240mg、マグカップ2杯分」という量を、誰にでも当てはまる摂取の目安として勧める事はできません。
対象者は15人と少なく、カフェイン摂取の習慣や運動経験にも条件がありました。一般の人が朝にコーヒーを飲むだけで健康になるか、長期間の体重減少につながるかを確かめた研究ではありません。
当初は、私自身もコーヒーを飲んで代謝を上げたいと書き、皆さんにも試す事を勧めていました。ただ、この研究だけを根拠に、同じ飲み方や効果を皆さんに勧める説明は適切ではありませんでした。研究を紹介する際は、誰を対象に、どのような条件で、何が分かったのかまで確認する事が大切ですね。
参考:Ramírez-Maldonadoほか(2021)「Caffeine increases maximal fat oxidation during a graded exercise test: is there a diurnal variation?」
https://link.springer.com/article/10.1186/s12970-020-00400-6
抄録(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33413459/



