
会社で使うスマートフォンを、新品だけでそろえる必要はあるでしょうか。電話やチャット、現場の写真共有など、用途によっては中古端末も検討対象になります。大切なのは、安く買うことだけではなく、必要な期間、安全に使い続けられるかという視点です。
朝日新聞の2026年10月22日昼ニュースレターに掲載された中古スマートフォンの話題をきっかけに、通信事業者の公開情報を確認しました。今回は市場規模の紹介ではなく、企業が端末の選択肢を広げる際の運用について考えます。
法人向けにも広がる調達の選択肢
NTTドコモビジネスは2026年8月25日、法人向けオンラインショップで、品質確認と30日間の保証を付けた中古iPhoneの販売開始を発表しました。同社発表では、新規契約またはMNPの回線契約と合わせた申し込みが対象で、端末単体の購入や機種変更は対象外です。
また、KDDIの法人向け公開コラムでも、新品、中古品、レンタルを比較する考え方が紹介されています。中古品では機種や在庫、端末ごとの状態に違いがある点が説明されています。
これらは各社が提供内容を説明した情報です。中古端末なら必ず総費用が下がる、どの会社でも同じ条件で導入できる、と示すものではありません。
先に決めたいのは、機種よりも使い方
ここからは、業務ITの運用という観点からの考察です。
最初に、端末で何をするかを書き出します。通話と勤怠入力が中心なのか、現場写真を多く保存するのか、複数の業務アプリを使うのか。用途が違えば、必要な容量や電池の持ち、画面の大きさも変わります。実際の業務を少数の端末で試す方が、仕様表だけで大量導入するより判断しやすくなります。
次に、使う期間と更新計画を合わせます。購入価格が低くても、予定より早くOSや業務アプリへの対応が難しくなれば、交換作業が増える可能性があります。メーカーの更新情報とアプリの対応条件を確認し、「何年使いたいか」と「いつ見直すか」をセットで決めておくことが重要です。
安心して使うための仕組みをそろえる
運用面では、まず端末と利用者の対応を台帳で把握します。購入日、保証期限、貸与先、返却予定が分かれば、故障時や異動時にも判断しやすくなります。
紛失時の連絡先、アカウント停止の担当、データを消去する判断手順も、配布前に決めておきたい項目です。端末管理サービスを利用する場合は、対象機種への対応や管理できる範囲を確かめます。会社のデータを扱う端末だからこそ、新品か中古かにかかわらず、同じ管理基準が必要です。
費用も本体代だけでは比較できません。初期設定、保証、故障時の代替機、交換作業まで含めて考えると、自社に合う調達方法が見えやすくなります。中古品を一律に選ぶのではなく、用途に応じて新品やレンタルと組み合わせる方法もあります。
まとめ
中古スマートフォンは、企業の端末調達を考えるうえでの選択肢の一つです。その価値を生かすには、買うときの価格だけでなく、配布から更新・返却までを設計することが欠かせません。
機器を選ぶことと、業務を支える仕組みを整えることは別の仕事です。必要な機能を見極め、小さく試し、無理なく管理できる形にする。その積み重ねが、身近なITを使い続けるための土台になります。
出典
- 発見契機:朝日新聞「中古スマホ市場が活況、携帯大手も『無視できない』 企業にもニーズ」 https://www.asahi.com/articles/ASVBP2J90VBPULFA025M.html
- NTTドコモビジネス「NTTドコモビジネスオンラインショップで法人向け中古iPhoneの提供を開始」2026年8月25日 https://www.ntt.com/about-us/information/info_20260825.html
- KDDI「会社スマホは『新品・中古・レンタル』どれを選ぶべき?au会社スマホで失敗しない選び方ガイド」2025年10月8日 https://biz.kddi.com/content/column/smb/houjin-smartphone-guide/



