
この3年間、さまざまな方と一緒に働く中で、当社で苦戦する人の仕事の進め方に、共通する傾向が見えてきました。
それは、「願望先行型」と「理屈先行型」です。
これは、人の性格や能力全体を決めつけるものではありません。あくまで、当社の仕事で成果につながりにくかった判断や行動の特徴です。同時に、今の当社を支えている従業員の強みを、改めて実感するきっかけにもなりました。
願望先行型――期待はあるが、行動が伴わない
願望先行型は、「こうなってほしい」という願いを、いつの間にか「きっとそうなる」という確信に変えてしまう進め方です。
実現する条件や根拠を確かめず、「誰かが助けてくれる」「いずれ状況が良くなる」と期待し、自分で動くことや、問題への対処を後回しにしてしまいます。
周囲の支援を前提にしすぎると、自分が担うべき役割まで他の人に委ね、結果として周囲の負担が増えることもあります。
問題は、夢を持つことではありません。願望と事実を区別し、実現に必要な行動につなげられるかという点です。
理屈先行型――説明はできても、現場で役に立たない
理屈先行型は、実際の需要や制約を確かめず、自分の考えに沿って計画や開発を進めてしまう進め方です。
説明には筋が通っていても、「誰が、何のために使うのか」「現場の条件で使えるのか」という確認が抜けています。その結果、時間や費用をかけても、使われないものができてしまいます。
さらに、自分の構想にこだわるあまり、利用者の声や検証結果を受けても、方針を変えられないことがあります。
問題は、発想の大胆さではありません。考えを現実と照らし合わせ、必要に応じて修正できるかという点です。
今の当社を支える、従業員の実行力
二つに共通するのは、自分の期待や考えに対して、現実を確認する姿勢が不足していることです。
一方、今の当社を支えている従業員には、目の前の課題を受け止め、自分で考え、周囲と協力しながら行動する力があります。
分からないことは確認する。難しい依頼にも、できる方法を探す。予定どおりに進まなければ、早めに共有して軌道修正する。こうした日々の積み重ねが、お客様からの信頼と、会社の成長を支えています。
技術職では、事実と制約から実行可能な解決策を導くこと。サポート職や技術営業では、相手の気持ちや事情を理解し、具体的な対応につなげること。それぞれの持ち場で責任を果たし、必要なときには互いに支え合う姿を、頼もしく感じています。
会社の強さは、日々の仕事に向き合う従業員一人ひとりの行動によってつくられている。 この3年間で、そのことを強く実感しました。
組織の土台が固まり、次の成長段階へ
この間、当社の仕事の進め方になじめず、苦戦していた方が、別の環境を選んで離れていくこともありました。それぞれに事情や適性があり、当社での結果が、その方の可能性のすべてを表すわけではありません。
そうした変化を経て、当社が大切にする姿勢を共有し、行動に移せる仲間が組織の中心を担うようになってきました。
課題に向き合い、判断し、実行する力が積み重なり、組織は着実に筋肉質になってきたと感じています。それは、今いる従業員が、自分の役割を果たしながら、チーム全体を支えてくれているからです。
今は、その土台の上で、組織をさらに大きくしていく段階に入ってきたという手応えがあります。新しい仲間を迎え、より多くのお客様に価値を届けるためにも、従業員の努力に頼るだけでなく、育成や情報共有の仕組みを整えていきたいと考えています。
理想を持ち、現実を確かめ、自分で動き、間違いに気づいたら修正する。その姿勢を大切にしながら、今の当社を支えてくれている従業員とともに、次の成長をつくっていきたいと思います。



