
生成AIを仕事で使う機会が増えています。文章の下書きや情報の整理など、日々の業務で便利さを感じる場面もあるのではないでしょうか。
その一方で、便利な使い方を見つけても、その人だけの経験で終わってしまうことがあります。同じような仕事をしている別の人が、同じところから試行錯誤を始める。それでは、せっかくの工夫が十分に生かされません。
こうした中、信用金庫の間では、生成AIの活用経験を持ち寄り、共に学ぶ取り組みが始まっています。当社にとっても参考になる動きです。
信用金庫が、組織の垣根を越えて学び合う
城南信用金庫と京都中央信用金庫は、株式会社neoAIとともに、2025年9月に「GEN×しんきんラボ supported by neoAI」を発足しました。
目的は、生成AIを活用した事例や成果を共有し、実務上の課題を一緒に考え、人材育成につなげることです。参加対象は、生成AIサービス「neoAI Chat」を導入する全国の信用金庫とされています。城南信用金庫の発表
この取り組みで注目したいのは、AIの導入に加えて、「使った経験を共有する場」を設けている点です。
どの業務で役立ったのか。どう依頼すると使いやすい回答になったのか。どこで確認や修正が必要だったのか。こうした経験を持ち寄ることで、ほかの組織も自分たちの業務に取り入れるヒントを得られます。
当社でも、身近な業務の工夫を持ち寄る
当社に置き換えるなら、まずは日々の仕事の中で見つけた使い方を、共有することから始めたいと考えます。
例えば、次のような業務が候補になります。
- 打ち合わせのメモから、決定事項と次に行うことを整理する
- メールの下書きを作り、伝わりやすい表現に整える
- 長い資料から、確認したい項目を抜き出す
- 提案書を作る前に、構成や検討事項を洗い出す
大切なのは、「AIを使いました」という報告だけで終わらせないことです。
何に使い、どのように依頼し、どこを人が直したのか。次の人が試せるところまで共有することで、一人の工夫が会社全体の仕事に役立つようになります。
うまくいかなかった経験にも価値がある
共有したいのは、成功した使い方だけではありません。
「文章は読みやすいが、数字が違っていた」「必要な条件を伝え忘れ、使えない回答になった」といった経験も、次の人にとって役立つ情報です。
当社でも、AIの回答をそのまま完成品とせず、事実や数字、相手に伝わる内容になっているかを人が確認する。そのうえで、間違いやすかった点も含めて残していくことが必要です。
共有の形式は、大がかりな報告書でなくても構いません。「使った業務」「依頼の仕方」「役立った点」「確認が必要な点」を短くまとめるだけでも、再利用しやすくなります。
生まれた時間を、お客様のために使う
生成AIの活用によって、何を実現したいのか。この目的も、社内でそろえておきたいところです。
城南信用金庫は、生成AIによる業務効率化と生産性向上を図り、そこで生まれた時間を、お客様と接する時間へ振り向ける方針を示しています。城南信用金庫・2026年版ディスクロージャー誌
当社でも、資料や文章を早く作ることに加えて、その時間を何に使うかまで考えたいと思います。
お客様の話を丁寧に聞く。提案内容をもう一度見直す。対応後のフォローを充実させる。作業で生まれた余裕を、仕事の質を高めることに使っていく。その積み重ねが、AIを活用する価値になるはずです。
まずは身近な業務で試し、役立った工夫を持ち寄る。そして、ほかの人も使える形に整える。当社でも、一人ひとりの経験を共有しながら、よりよい仕事の進め方を育てていきたいと考えます。



