吉野家から学ぶ企業風土の問題

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有名な牛丼チェーンの吉野家の常務が不適切発言で解任するというニュースがありました。ただ、これは他人事ではないように思っています。

  • 何があったのか?

これは、早稲田大学主催の社会人向け講座で発生した事なのですが、地方から上京された若い女性がどうやったら牛丼を食べてもらえるのか?という話の中で「生娘がシャブ漬けになるような企画」という不適切な発言をしてしまったわけです。

この講座を受講していた方の身になると、「シャブ漬け」という覚醒剤中毒のような言い回しをした事が、「あれ?そういう考え方で牛丼売ってるんだ・・」ってなってしまう事が想像できますよね。

また、「生娘」(生娘とは、処女・うぶな娘・まだ子供めいた純真な娘という意味)という言葉を使う事によって、「何も知らない人を騙すような企業なんだ」という感情になったのではないでしょうか。

 

  • 私達の所感

もちろん、会場の空気感などもありますので、文字にする事によって過激な感覚になってしまいますが、実はこういう発言は昭和時代には結構あったのです。

この常務の身になって考えてみると、まず年齢が49歳なのだそうですが、まさに昭和時代の真っ只中に育ったわけで、過激な言葉が「お笑い」として受け止められていた時代を生きています。

なので、どうやったら一言でイメージでき、笑える表現ができるのか?と考えた言葉だったのかなと思います。

結果、「過激な言葉を使った」という事だと推測しますが、SDGSやLGBTQ等で人権や環境問題に対して敏感になっている世の中で、なぜそういう言葉を使ったのかが疑問になるわけです。

要するに時代錯誤な言葉をなぜ現代で使ったのか?ここが問題なわけです。

 

  • 私達が考える改善点

推測でこの問題を考えて見たとき、個人の問題と企業の問題と二つの問題が推測できます。

まず、個人の問題です。簡単に時代錯誤な発言をする方のほとんどは、社内で部下から慕われている方が多いように思います。なので、フランクな関係で社内で発言していたのではないでしょうか。なので、この常務の人柄を理解した状態で過激な発言を聞いた人と、この常務の人柄を知らない人が過激な発言を聞いた場合で、受け取り方の感情が異なるという事を理解していなかったのではないかと思います。

次に、企業の問題です。多分、社内で部下(もしくは側近)から慕われていた常務は、周囲から評価をされていたはずです。しかし、社外の方に対する対応に関して、社内(もしくは側近)と同じような発言をする事が問題である事の指導をしていなかったのかもしれません。もしくは、講師として対応する事の事前レビューをしていなかった為に、社内(もしくは側近)と同じ対応をしてしまったのが根本的な原因なのではないかと考えます。

改善点は、

・時代錯誤の発言をしないようにする事(その発言。現代では笑えませんよ?を知る)

・自分の人柄を理解している人と理解していない人で対応を分ける

・社外で活動する場合は、いくら常務取締役でも事前レビューをしっかりする

この3点かと思います。

決して、他人事ではありません。しっかり襟を正して、私達も学習していきたいと思います。