なぜ経営が失敗するのか

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やってはいけない経営

 

失敗から学ぶ

はじめに
経営において成功を収めるためには、避けるべき誤りを理解することが重要です。多くの企業が犯す共通の過ちを知ることで、より良い経営判断を下すための教訓を得ることができます。ここでは、「やってはいけない経営」に焦点を当て、企業が陥りがちな失敗とその回避方法について探ります。

 

短期的な利益に固執する
多くの企業が短期的な利益を追求するあまり、長期的な成長を犠牲にしてしまうことがあります。例えば、コスト削減のために品質を低下させることや、従業員の研修や福利厚生を削減することが挙げられます。これらの行為は一時的な利益をもたらすかもしれませんが、最終的には顧客の信頼を失い、ブランド価値を損なう結果となります。これは、従業員個人にも考えを伝える必要があり、目先の利益だけ追い求める方は、地道な苦労から逃げます。地道な苦労のプロセスがいかに人の信用を得るのかという基本的な考え方を教育をする必要があります。

 

回避方法
長期的な視野を持ち、持続可能な成長を目指す経営方針を採用することが重要です。品質を維持しつつ効率を高める方法を模索し、従業員の満足度やスキルアップに投資することが、長期的にはより大きな利益をもたらします。また、従業員が目先だけの利益(例えば、早く給与を上げてほしい。早くリモートワークにしてほしい。早く次の仕事をさせてほしい等)を追い求める人材が多くなると、会社全体が短期的な利益に固執する組織になるので、教育が必要になると考えています。

 

市場の変化に対応しない
経営者が市場の変化やトレンドを無視し、旧来のビジネスモデルに固執することは大きなリスクを伴います。例えば、デジタル化が進む現代において、オンラインプレゼンスを軽視することは競争力を大きく損なう要因となります。この為、経営者だけではなく、従業員も最新のニュースをきちんと読むように情報展開をするようにし、そこからどういうサービスが考えられるのかディスカッションをしていく習慣が必要になります。

 

回避方法
市場動向を常に把握し、柔軟な対応を取ることが求められます。競合他社の動向や消費者のニーズを分析し、必要に応じてビジネスモデルや戦略を見直すことで、変化に対応しやすくなります。また市場の変化というのは、国や都道府県から落ちてくるトップダウンの変化情報(例えば、最近ではインボイス制度等)や、民間の中での流行や需要から来るボトムアップの二つの方向がありますので、ここを会社として配信し続ける必要があると考えています。

 

コミュニケーションの欠如
経営層と従業員間のコミュニケーションが不足すると、業務効率の低下や士気の低下を招く可能性があります。透明性の欠如や一方的な指示は、従業員の不満を引き起こし、離職率の増加につながります。経営者が威張って、従業員に対して受け身でいる状況ではいけません。

 

回避方法
オープンなコミュニケーションを促進し、従業員の意見やフィードバックを積極的に取り入れる文化を醸成することが重要です。定期的なミーティングやアンケートを通じて、双方の理解を深める努力を怠らないことが求められます。当社では、一年に少なくとも3回の面談と、3回の集まりを推進しています。入社する際に話をさせていただきますが、コミュニケーションは透明性の第一歩ですので、積極的に実施していきたいと考えています。

 

リスク管理の不備
リスク管理が不十分な企業は、予期せぬ事態に対応する能力が欠如しているため、大きな損失を被る可能性があります。自然災害や経済的ショック、サイバー攻撃など、様々なリスクに対する備えがないと、危機に直面した際に迅速かつ効果的な対応ができません。

 

回避方法
リスク管理体制を整え、あらゆる事態に備えて計画を策定することが必要です。リスクアセスメントを定期的に実施し、リスク軽減策を講じることで、企業の安定性を確保します。また、従業員に対してリスク管理に関する教育を行い、全員が危機対応に対する意識を持つことが重要です。当社は情報処理の会社なので、月1回にはセキュリティーテストを実施しています。これは、ISMSとPマークの観点から実施しているものです。また、業務ミスのリスクに関しては、基本的ななぜなぜ分析手法を取り入れて対応しています。

 

イノベーションの欠如
現状に満足し、イノベーションを疎かにする企業は、競争力を失うリスクがあります。技術革新や市場の変化に対応できない企業は、顧客のニーズに応えられず、次第に市場から取り残されてしまいます。

 

回避方法
イノベーションを促進するための環境を整えることが重要です。新しいアイデアや技術を積極的に取り入れ、実験や試行を奨励する文化を育むことで、企業全体の創造性を高めます。また、外部とのコラボレーションやオープンイノベーションの推進も有効です。新しいサービスを生むという事は、新人研修の時に少し実施しますが、継続して実施していく必要があると考えています。

 

責任の曖昧さ
経営において責任の所在が明確でない場合、問題解決が遅れ、効率が低下します。役割分担が不明確な組織では、誰が何をすべきかが不明瞭となり、業務の混乱やミスが生じやすくなります。

 

回避方法
明確な役割分担と責任の設定を行い、各従業員が自分の業務に対して責任感を持つよう促すことが必要です。定期的な評価とフィードバックを通じて、責任の遂行状況を確認し、必要に応じて調整を行うことで、組織全体の効率を向上させます。当社では、グループ長やリーダー制度を取り入れ、責任の所在に関しては、評価に連動させるようになっていますが、この評価方法に関しては少しずつ改善をしていますので、完璧なものとはなり得ないように思います。また、責任の所在を明確にする事によって、逆に負担に感じてしまって、体調が悪い方向に変化していく方もいますので、充分にその人の向き・不向きを観察していく事が必要になります。

 

まとめ
「やってはいけない経営」には多くの教訓が含まれています。短期的な利益に固執することや市場の変化に対応しないこと、コミュニケーションの欠如やリスク管理の不備、イノベーションの欠如や責任の曖昧さなど、避けるべき誤りは多岐にわたります。これらを回避するためには、長期的な視野を持ち、柔軟かつ透明性のある経営を実践することが求められます。成功するためには、常に変化を受け入れ、学び続ける姿勢が必要です。経営の失敗から学び、より強固で持続可能な企業を築いていきましょう。